「よし、ひびだったから大丈夫!」 本当?

ときどき、患者さんに「ひびなら放っといても大丈夫ですよね?」
と言われることがあります。

実は、「ひび」は「亀裂骨折」のことで、骨折には違いないのです。
ただ、ほねの膜の連続性が保たれているので、ずれはありませんし、
血流も(完全骨折に比べると)保たれているため、
比較的短期間(2~3週間)の固定で治ることが多いです。

逆に「ひびのほうが治りにくいですよね?」
と言われることもありますが、
これは、「ひび」だからと、きちんと固定しなかったり
受診しないで運動を続けたりすることで
起こってしまう誤解なのではないかと考えます。

「ひびも骨折」と肝に銘じて、きちんと治療しましょう。

ちなみに、よくクイズ番組の問題でもみかけますが、
「複雑骨折」というのは、複雑に折れた骨折のことではなくて、
創(きず)を伴う「開放骨折」のことです。
ずれもあり、感染の可能性も高く、治療するのが「複雑」なのですね。